水素粉末(パウダー)の製法について②

・均一な素材組成と特許製法により、含有される水素量は毎回ほぼ同じ量であることをガスクロマトグラフにて確認している(製造ロット毎に水素量を担保して提供)。本来、不安定な水素の発生をきちんと確認できるということだけでなく、ある程度、毎回水素量をコントロールできるということは、特筆すべき点であると考えられる。

また、これらが小スケールではなく、量産体制で製造する際に再現できなければ、意味がない。通常、水素素材の加工における熱処理は、一度に大量の素材を入れた大きな炉で行われることが多い。その結果、抽出箇所によって、水素の付着がまばらになってしまうと考えられるが、当該素材においては、他にはないオリジナルに製造された炉によって、少量ずつ均等に同じ時間、同じ温度の熱が加わるよう加工される(図)。非常に時間と手間のかかる職人作業となるが、これにより何処を抽出してもほぼ同じ水素量の素材が出来上がる。

no14-01
図:専用炉による水素素材の熱処理加工

水素粉末(パウダー)の製法について①

・当該素材(水素素材)は、製造特許(特許第4472022)を元に作られている。工程そのものを大枠で捉えると、食品の殺菌洗浄工程の応用の中で、水素吸着反応が見られるということになる(図)。何か特別な手を加えたり、組成を変化させたりということではなく、素材そのものを活かし、環境や自然にも優しい方法で加工されている。
この工程では、カルシウムを炭化水素系溶液に浸し、乾燥に近い温度で熱処理をする。この時、細孔内は、細孔外部から酸素が供給されにくくなり、低酸素雰囲気状態となり乾留状態で熱分解され、溶液が低分子化される。つまり、溶液は、細孔内で低分子化され、最後に水素ガスが残り、細孔内に物理的に含有されると考えられる。低温での焼成のため、主成分や結晶構造に変化はなく、原料そのものは、白色のままであり、副生成物の発生もみられない。安全性が高く、水素の含有も非常に安定した数値となる。
no13-01

加速度試験(於:芳香園製薬株式会社)

発表日:2010年9月

・概要:
当該原料の吸湿性がどの程度のものか調べるために、過酷環境下に一定期間放置し、その吸湿性を調べる。試験結果からは、吸湿性が高いことは確認できなかった。試験期間中に吸着している水素が放出されているかどうかについては、当該試験からは不明である。
本試験は、加速試験と言われる試験である。本来の目的は、医薬品の賞味期限を設定するための試験である。この試験結果から1か月=0.5年の賞味期限を設定することが可能である。6か月の試験を行った結果、性質上の問題は見られなかったため、当該原料は、6か月×0.5年の賞味期限を記載することができる。

成分分析(於:日本食品分析センター)

当該素材の成分分析を行った。主成分は、炭酸カルシウム。重金属、ヒ素、鉛、総水銀、シアン等は検出されていない。その他、残留農薬、等も検出されない。一般生菌、大腸菌類も限度内及び陰性であった

分析試験項目

結 果

定量下限

方 法

乾燥減量

0.1%未満

1

常圧加熱乾燥法

強熱残分

99.4

2

直接灰化法

ナトリウム

67.5mg/100g

 

原子吸光光度法

リン

10.2mg/100g

 

ICP発光分析法

3.62mg/100g

 

ICP発光分析法

カルシウム

39.4g/100g

 

ICP発光分析法

マグネシウム

283mg/100g

 

ICP発光分析法

セレン

検出せず

5µg/100g

 

蛍光光度法

エーテル可溶分

0.1%未満

 

ソックスレー抽出法

全窒素

0.01%未満

 

ケルダール法

ヒ素(As2O3として)

検出せず

0.5ppm

 

原子吸光光度法

検出せず

0.5ppm

 

原子吸光光度法

カドミウム

0.1ppm

 

原子吸光光度法

総水銀

検出せず

0.01ppm

 

還元気化原子吸光光度法

ケイ素

検出せず

0.05

 

ICP発光分析法

イオウ

0.03g/100g

 

硫酸バリウム重量法

BHC

検出せず

0.01ppm

 

ガスクロマトグラフ法

DDT

検出せず

0.01ppm

 

ガスクロマトグラフ法

アルドリン及びディルドリン

検出せず

0.005ppm

 

ガスクロマトグラフ法

エルドリン

検出せず

0.005ppm

 

ガスクロマトグラフ法

PCB

検出せず

0.01ppm

 

ガスクロマトグラフ法

一般細菌性(生菌数)

300以下/g

 

標準寒天平板培養法

大腸菌数

陰性/2.22g

 

BGLB

カビ数

陰性/0.1g

 

ポテトデキストロール(10)寒天平板培養法

酵母数

陰性/0.1g

 

ポテトデキストロール(10)寒天平板培養法

サルモネラ

陰性/25g

 

増菌培養法

腸炎ビブリオ

陰性/25g

 

増菌培養法

注1, 測定条件:温度,105℃;時間,5時間
注2, 測定条件:温度,550℃

急性毒性試験(於:日本食品分析センター)

発表日:2010年3月

・概要:
当該素材を検体として、雌ラットにおける急性経口毒性試験を行った。試験群には2,000mg/kgの容量の検体を、対照群には溶媒対照として注射用水を雌ラットに単回経口投与し、14日間観察を行った。その結果、観察期間中に異常及び死亡例は認められなかった。このことから、検体のラットにおける単回経口投与によるLD50値は、雌では2,000mg/kg以上であるものと考えられた。

・試験結果:
【死亡例】いずれの投与群においても、観察期間中に死亡例は認められなかった。
【一般状態】いずれの投与群においても、観察期間中に異常は見られなかった。
【体重変化 (表-1)】投与後7及び14日の体重測定において、試験群は対照群と比べ体重差は見られなかった。
【剖検所見】観察期間終了時の剖検では、すべての試験動物に異常は見られなかった。
no7-01
体重は平均値±標準偏差で表した(単位:g)
括弧内に動物数を示した。

カルシウム結晶構造の違い

発表日:2010年5月
・概要:
炭酸カルシウムの結晶構造は、カルサイト、アラゴナイト、パテライトからなる。結晶構造の中では、カルサイトが一番安定しており、パテライトは一番不安定で、自然にはほとんど存在しない。当該原料の結晶構造を分析した結果、カルサイト型であることが示された。海洋由来の造礁サンゴの骨格は、主にアラゴナイト型であるが、今回その違いが明らかとなった。アラゴナイトは溶解度が良く、吸収性があると言われている一方、カルサイトは、溶解性が低い。当該素材は、飲料とするための軟水化行程において工業的に生成されたものであることからも、海洋由来の造礁サンゴと結晶構造に違いが示された。

結晶構造
( ハイドロカルシウムパウダーG1)

no6-01
 結晶構造
(他社サンゴ系水素素材)

no6-02

水素の定量分析(第三者機関にて分析)

毎製造ロットごとに分析

・概要:
当該素材から発生する水素ガス量を製造ロットごとに測定したもの。当該素材の水素ガス量の品質基準は、G1素材(平均粒度約67µ)で15µL/g~、G1H(平均粒度約2.5~3µ)で6~8µL/gとしている。目に見えない水素ガス量をしっかり測定し、同じ品質のものを提供することを担保したものである。
業界において、水素量に対し統一した指標がなく、水素には、還元作用があるというロジックで液体に試薬を注入して確認する、または酸化還元電位計や溶存水素計という還元力を一つの指標として数値化することも散見される。これらは、液体に含まれる水素量を測定するのに優れていると考えられているが、水素以外の還元物質に反応して数値化されることがあるので、正確に水素による作用を見極めるとは言い切れない。水素以外の要素を排除して、水素のみを直接、正確に測定できるのがガスクロマトグラフの特徴である。

特許から見る各固体水素素材の違い④

本発明者らは、製品の品質を安定させるために、炭酸カルシウムの層間等において水素源となる有機物の量と組成を制御する方法を検討した。より具体的には、炭酸カルシウムに水素化合物を保持させる方法を検討した。その結果、天然物由来のゼオライトや、珊瑚や牡蠣殻、卵殻カルシウム等由来の重質炭酸カルシウムでは、これらの細孔や間隙に、水素化合物の分子が浸透せず、これを焼成しても十分な量の水素ガスが保持されなかった。一方、晶析法により生成される沈降炭酸カルシウムは、水素化合物を多く保持させることができることを見出した。そして、前記沈降炭酸カルシウムに水素含有化合物を保持させて焼成することで、前記沈降炭酸カルシウムに含有する水素ガスの量を一定に保つことが出来る事を見出し、本発明を完成するに至った。

特許から見る各固体水素素材の違い③

特許文献1及び2には、ゼオライトや珊瑚、牡蠣殻等の素材を原料とする粉末状の担体に水素ガスを担持させる方法が記載されている。これらの素材は、その構造中に有機物や水が取り込まれており、熱処理によって有機物や水を除去し、多数の細孔や間隙を形成させてポーラス状とすることが出来る。
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特許から見る各固体水素素材の違い②

また、水素ガスをそのまま血中に取り入れる方法はドラッグデリバリーという観点からは必ずしも理想的な方法とはいえない。
また、水素ガスを日常的に簡単に摂取するという観点から、水素ガスが溶解している水を飲用することが考えられる。
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