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特許から見る各固体水素素材の違い②

また、水素ガスをそのまま血中に取り入れる方法はドラッグデリバリーという観点からは必ずしも理想的な方法とはいえない。
また、水素ガスを日常的に簡単に摂取するという観点から、水素ガスが溶解している水を飲用することが考えられる。

しかし、水素ガスの水に対する溶解度は低い。25℃、1気圧の条件では、水素ガスは水に対して1.55(mg/L)しか溶解しない。さらに、水素ガスの水に対する溶解量は、ヘンリーの法則に従い、気相中の水素ガスの分圧に比例する。そのため、水素ガスの分圧が小さい場合、即ち気相中に水素ガスが殆ど存在しない場合(例えば、大気中)は、水中に水素ガスを溶解させても、水素ガスは短時間のうちに蒸発逸散してしまう。そのため、水素ガスは水中に長く滞留させることができない。従って、水中に実質的に必要な量の水素ガスを溶存させることは出来ない。